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塾講が語る『秘伝』 |
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第29巻 算数 其の七“割合苦手症候群の治療法”
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“割合”と聞くだけで嫌な顔をするのは、どうやら子どもだけではありません。子どもが毎度同じようなところで悩んでいたりして、「何度言ったらわかるのよッ!」と、少々うんざりしているお母さんも…。
“割合が苦手”という難病をどうやって直していくかは、中学入試合格を目指す親子にとっては「最大の課題」といってもいいでしょう。だって、割合を出題しない学校なんてありませんから。
まずは、親の心構え。「子どもが割合を理解することは難しい」ことをわかってあげることが大切です。大人でも割合を本当に理解できている人は意外と少ない。ましてや子どもです。「割合がわかる」までには時間がかかります。
では、“割合苦手症候群”の治療法をご紹介します。
1.生活の中の割合を意識させよう。
「この服、2割引で4000円だって。じゃあ、定価は何円?」と聞いたり、「イチローが207本のヒットを打って、打率が3割5分1厘だから、何回打席に立ったことになる?」等、日常生活の中にある“割合”を意識させることが、割合を身近に感じ、感覚を磨くことにつながります。また,濃縮ジュースを水で薄めるときも、子ども自身にさせ、“濃い”“薄い”を実感させてみましょう。算数の割合に関する問題を解くとき、このように「割合を感覚的に理解する」ことが大切です。
2.「割合」をみつけたら「もとにする量」を探せ。
「○は△の□倍」のとき、“□倍”というのが「割合」です。これだけなら難しくありません。このとき同時に、“△の”を読みとること。これは「もとにする量」で、割合の問題を解くとき、これを読みとることが最も重要です。たとえば、「体重が2倍」といっても、「アリの2倍」なのか「ゾウの2倍」なのかで、全く違ってきます。ですから、「割合」を見つけたら「もとにする量」を探すクセをつけましょう。
3.式を、数の大小や種類で判断しない。
「6は2の何倍?」の問いに「3倍(正解!)」と答えた子どもたちに、「2は6の何倍?」とか「4.7は2/3の何倍?」と聞いたとき、自信を持って答えられる子どもは半分以下に減ります。これは、“計算に自信がない(これについてはまた別の機会に)”ことも原因の一つですが、何よりも「○は△の何倍ですか?」「ハイ(○÷△)倍です。」の基本ルールを優先していないことが最大の原因です。「6は2の□倍」「6は□の3倍」「□は2の3倍」等、答が整数になる例題で基本ルールを確認し、しっかり守らせましょう。
4.割合どうしの四則計算は、ふつうの四則計算と同じルール。
もとにする量が2つ以上出てくる問題を扱う授業の導入で、よく次のような問いかけをします。「2kgと30gをたしたら32になるか?」当然、子どもたちは自信満々で「No!」。ところが「なぜならない?」と聞くと「エッ?…kgとg…だから?」「2kgと30gをたしたら…2030g…だから?」と、しどろもどろ。とっても不安そうに答えますが、言ってることは間違っていません。
「1つあたりの量が同じものどうしでないと数をたしたりひいたりできない」のです。割合では「1つあたりの量が同じ」とは「もとにする量が同じ」ということ。「割合をたしたりひいたりしてもよいのは、もとにする量が同じとき」このクセをつけましょう。
5.単位のついた数量を、割合で表そう。
1〜4は、“読み取り”と“心構え”です。これは、常に意識しておくことで定着させていきます。そして5つめが“技術”。
問題の中に出てくる“単位のついた数量”を割合で表しましょう。これでもとにする量を求めることができるので、問題は9割以上解決します。たとえば、
「ある本を、1日目に全体の40%を読み、2日目に残りの30%を読みましたが、まだ84ページ残っています。この本は、全部で何ページありますか。」
という問題。「84ページは、全体の(1−0.4)×(1−0.3)=0.42倍」だから、本全体(もとにする量)は、「84÷0.42=200(ページ)」となります。
この技術は、1〜4の“読み取り”と“心構え”ができていればうまくできるはずです。
ただ、“割合苦手症候群”の最良の治療薬は、“保護者の方の励まし”です。一朝一夕では解決しない難敵ですから、根気強く見守ってあげてください。そのためにも、最初に書いた「子どもが割合を理解することは難しい」という心構えが大切なのです。また、家庭だけで何とかしようとせず、塾の先生に相談してみましょう。 |