|
塾講が語る『秘伝』 |
|
|
第十三巻
算数 其の四“文章題を解こう<1>” |
「文章題」は問題が文章の形式になっているもので、特に、文章だけで書かれた算数の問題のことをさすことが多いようです。「国語の読解問題はできるのに、算数の文章題はできない」って、よくある話ですよね。実は、「算数の文章題を解く」ときと「国語の読解問題を解く」ときでは、読み方から違いがあるので、こんなことになるわけです。
「文章題を解く」とは、次の段階を経て正解を導くことを言います。
<1>問題文を読み、情景、設定をイメージし、何を求められているかをつかむ。
<2>条件、数値等を図や表、グラフなどにまとめる。
<3>式を立て、計算して答を出す。
<4>導いた答が問題の条件に合っていることを確認する。
少なくとも国語では、通常<2>・<3>はありません。今回は、特に<1>の部分についてお話を進めていき、次回は立式までのコツ、最終回は文章題の仕上げについてお話しします。
早速ですが次の文章題を読んでみてください。
0.6mの青いテープと、1.5mの赤いテープがあります。青いテープの長さは、赤いテープの長さの何倍でしょう。
カンタンですよね。実はこの問題、総合初等教育研究所(文部科学省所管)の「『計算の力』の習得に関する調査」で出題されたものです。
この調査によると、例えば「0.3÷0.4」という小数同士のわり算の正答率は、小5で82.5%。なるほど、計算力は高いと言って良いようです。ところが先述の問題の正答率は、同じ小5で47.1%。とりあえず計算式を作ることができた人ですら51.2%でした。
また、「6リットルは、何リットルの1.2倍か。」という問題では、「6×1.2」「1.2×6」「6÷1.2」「1.2÷6」の4つの選択肢から解答を選ぶにもかかわらず、正解者は小5で50.3%、中学生でも65.4%だったそうです。
これらの結果から、「計算はできても、文章題から計算式を導き出す力は弱い」という調査結果が発表されました。まぁ、この結果は誰が見たって同じ結論になるでしょうね。
さて、先のレベルの文章題を解けない原因はいくつか考えられますが、突き詰めていくと※「問題を要約できていない」※というひと言に集約できます。
まず、次のように読んでみましょう。
「青いテープの長さは赤いテープの長さの何倍でしょう。」
これで、何を聞かれているかわかりますよね。
しかも、「青いテープの長さ÷赤いテープの長さ」とすると良いことまでわかると思います。あとは問題文からそれぞれのテープの長さを読み取り、式にあてはめて計算すれば終わりです。
次に、2006年度の広島女学院中学校の入試問題にチャレンジしましょう。
「Aさんは長さ3mのリボンを持っています。Bさんに1/3mをあげ、Cさんに残りの1/2をあげました。残った長さはいくらでしょう。」
この問題を「難しい」と感じるのは、なぜでしょう?
実は、3m、1/3m、1/2という、数値が難しくさせているのです。試しに、この文章から数値をできるだけ外して読むと、次のようになります。
「Aさんはリボンを持っていました。その中からBさんにあげ、残った中からCさんにあげました。Aさんの手元に残ったリボンの長さは?」
いかがですか?
「そんなん決まってるじゃん、短くなったんよ。」…その通り!「Aさんがリボンを持っていた」→「Bさんにあげた」→「残った中からCさんにあげた」となるから、Aさんのリボンは短くなってますよね。ここまで読めると、大まかな図はかけるはずです。あとは、問題文を確認して、具体的な数値等の情報を書き込んでいくわけです。
もう、おわかりだと思います。
<1>図や表、グラフをかく前に、大まかで良いからイメージする。
<2>大まかなイメージから、図や表、グラフをかき、それに問題文に書いてある情報を書き込んでいく。
文章題ができない人の多くは、この2つのことに慣れていません。言い換えると、できる人はこれらのことが頭の中でできるほど慣れているということになります。
文章題が苦手なら、焦らず、まず大まかなイメージをすることから始めましょう。
さて、これで文章題への扉は開きました。次回からは、より実践的な内容になりますので、乞うご期待! |