|
塾講が語る『秘伝』 |
|
|
第六巻
国語 其の二“どこから問題にとりかかる?” |
「センセ、うちの子、算数は出来るんですけど、国語の読解力がなくって。読むスピードも遅いし。テストの時、文章を読み始める前に問題を先に読ませた方がいいんじゃないかなって思ってるんですが……」
国語という科目を指導していて、毎年複数の方から相談を受ける内容です。この「文章を読む前に『問い』を読む」というやり方。みなさまどのようにお考えになりますか?
結論から申しまして、この「まず『問い』を読む」やり方、中学受験においては、あまりおすすめはできません。
もちろん、お子さんの学力や学習状況、解答スピードや時期的なものを考慮に入れて、塾講師がこのやり方を指導することもあります。が、これから本格的に勉強し、学力を伸ばしていこうとする時期に、小手先の技術にとらわれてしまうのは、いかがでしょうか?
「まず『問い』を読む」という解き方のメリットとデメリットを挙げると……、
メリット
○問いを読むことで、あらかじめ本文内容を把握できる。
○話題に関する予備知識が入るので、時間の短縮がはかれる。
デメリット
×小手先の技術のみに終始し、文章全体の大意をつかみにくくなる。
×選択肢などを読むことで誤った予備知識を呼び込んでしまう。
といったところでしょうか。大まかに言うと、メリットは「安心感」につながり、デメリットは「伸びなやみ」につながります。あなたなら、どちらを選びますか?
スピードアップをはかるために、「本文を読みながら、問題を解いていく」という、離れワザ(?)にチャレンジしようとする小学生にもときどきお目にかかります。
コレは、読みすすめながら、傍線部にあたるたび「内容説明/理由説明/指示内容の説明」に答えていこうというスタイル。「空らん補充問題」に関しては有効ですが、その他の問いでは、とりあえず先に本文を読むことを優先すべきでしょう。よっぽど読解力があり、解き慣れている受験生でもないかぎり、一つ一つ、前後の文脈を正確にとらえて答えることはムズカシく、また、バラバラに理解した内容をつなぎ合わせて全体像を浮かび上がらせるのも、至難の業です。
ならば……ということで「速読は?」と考える方もいらっしゃいますが、これもいかがなものかと。語い力・読解力が高められていない段階で速読を求めると、ナナメ読み・字面読みにおちいってしまう可能性も。ということは、デメリットも大きいと言わざるを得ません。
スピードアップをはかりたい、正確に解けるようにさせたい、なんとか得点(偏差値)的な壁を乗り越えたい、という親ゴコロは、よ〜〜くわかります。ただ、多くの生徒がめざしている学校では、こういった小手先だけの技術では太刀打ち出来ないのが現状です。
となるとやはり、まずは文章を丁寧に、正確に読みこなしてから問題にとりかかる「精読」のチカラを身につけていくのが、遠回りなようでいて、やっぱり近道ではないか、という結論に至ります(ゴメンナサイ、受験に「コツ」はあっても、「王道」はありませんです、ハイ)。
細部を、文章全体を、そして筆者の主張までをしっかりと読み切ろうとするならば、腰を据え、落ち着いて読む姿勢を、なるべく早く身につけましょう。そして、文章読解で最も重要な、話題の展開を「想像する力」の養成を。
その際、積極的、能動的な「読み」をうながすためにも、線を引きながら読み込むと、なお効果的! 登場人物の「心情表現」にチェックを、説明文の「要点」にあたる部分に線を引きながら読みすすめることを心がけましょう。そして、これらのことを実践しながら、本物の骨太の学力を身につけましょう。
(ついでに前回のリレーコラム国語「『語い力』をつけるには!」で紹介したやり方も参考にしてもらえるとありがたいです)。
……ってなところで、今回のテーマ、いかがでしょうか?少しでも参考になりましたでしょうか?次回は文種ごとにどう読むか?という、より具体的な内容にスポットを当ててみたいと思います。乞うご期待! |