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じゅくちょ〜のホンネ |

from kuro
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vol.29 「インセンティブ」 |
勉強したくない子どもをどう勉強させていくか、コレは親の永遠のテーマかも知れません。何度言ってもわが子が勉強しないとき、保護者はどういう態度を取るケースが一番多いか? 言うまでもなく「怒る・しかる」がダントツです。「あんた、いつまで遊んでるの?!ちゃんとやることはやりなさいっ!」 「ダラダラするのもいいかげんにしなさいっ!」みたいな調子で目の前に子どもを座らせてガミガミ怒るってのは、ほぼどこの家庭でも見られる風景でしょう。目先の利益を追うのなら「脅す」ことで一応の結果は出せます。ただ、自立を学んでいく子どもに「怒る・しかる」だけでは、長い目で見れば、本人のためにはなりません。別のアプローチが必要になります。
子どもをその気にさせるスキルはいくつかありますが、多くの家庭で行われているものの、その使い方を誤りやすいのが「インセンティブ」です。
インセンティブとは、意欲を引き出すために与える外部的刺激=報奨のこと。その人のやる気を起こさせるために、良い結果が出たらごほうびを与えようというのがインセンティブの基本的な考え方です。認知心理学の世界で、「外発的動機付け」と呼んでいるものがそれです。
「今度満点を取ったら、黒毛和牛上タン食べ放題」とか「偏差値60超えたらSMAPのコンサート」といったごほうびがあるとないとでは、がんばり度に差が出てくるのも当然のこと。でも、「勉強は自分のためにすること。モノで釣ってまでさせたくない」というお考えのお母さまやお父さまもおられるでしょう。確かにモノを得ることが目的であってはいけません。モノによらず、勉強すること自体が自分のためになるという意識から行動する、いわゆる「内発的動機付け」が、学習者の本来的なあり方で、その達成感に刺激されて、さらに興味を高めていってくれれば、文句はありません。でも、それなりの努力を必要とする活動については、「辛抱すれば良いことがある」という目先の目標がなければがんばりきれないということもあるはずです。セルフコントロールのできない子どもにとって、先を見据えて勉強するという行為は決して楽しいものではありません。遠い先の目標のためにがんばれ!とはげますだけではなく、目先のちょっとした目標=ごほうびのために努力させるというのもあっていいでしょう。
インセンティブの与え方で気をつけないといけない点が3つあります。
一つめは、「なんでもかんでもモノを与えないこと」。モノがもらえなければ動かない子にはしたくないですよね。ごほうびはほめ言葉でも良いんです。ちゃんと努力を見ているということが子どもに伝わればOKなんですから。物質的なごほうびとほめ言葉をうまく組み合わせましょう。
二つめは、「高価すぎないこと」。いくらごほうびと言ってもあまりに高価なものは、必ず毒になります。インセンティブがうまく働くには、もらってうれしいものであることが条件ですが、子どもの努力に対しての顕彰であれば、常識的な対価にとどめるべき。ここらへんは日頃の生活水準と関係してくるのかもしれませんが…。
三つめは、「内発的動機付けに誘導すること」。きっかけは目先のモノに釣られての努力であっても、努力による自己実現や達成感について語ってやって、より高いレベルの欲求を引き出すインセンティブへと成長させてやりましょう。
タイミングや与え方によってはごほうびは毒にも薬にもなります。諸刃の剣だからこそ、くれぐれも慎重に。 |