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じゅくちょ〜のホンネ |

from kuro
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vol.20 「ピグマリオン効果」 |
先日、ある受験生のお母さまと面談しました。お母さま曰く「ウチの子はいまだに勉強から逃げかくれ、注意すればふてくされるので、ついキレてしまう。もう我が家は戦場と化してます。センセ、どうしたらいいの?」
この日のボクの処方箋はピグマリオンの話でした。
ギリシャのキプロス島にピグマリオンという名前の王様がいました。彼は彫刻が大変上手でした。ある時、自らが彫った象牙の女性像があまりに美しくピグマリオンはその女性像に恋心を抱いてしまいます。彼は像が本物の人間になることを願い続けました。そんなピグマリオンの姿を見た美と愛の女神アフロディーテが、彼の心根に打たれて象牙の女性像に生命を吹き込み、人間の女性に変えたのです。めでたしめでたし。
実はこのギリシャ神話からヒントを得て、命名された心理的行動に『ピグマリオン効果』というものがあります。ある小学校で無作為に2つのクラスをつくり、試験を実施。A組は一人一人間違ったところを指摘し、注意を与えたり叱ったりしました。一方のB組は、結果を発表せず「みんなよくできている。次もがんばれ」とほめて、激励しました。このような対応を一年間続けた結果、A組の生徒は成績もやる気もみるみるうちに低下してきたのに、B組の方は全員の成績がぐんぐん向上したというのです。
この実験結果はいろいろ制約があるのですが、それでも教育現場でふぼ普遍的に引用されているのは、人を動かすための真理のようなものが示されているからだと思います。それは、人はほめられ、期待されると、本人も知らず知らずのうちに向上する、という真理です。
「ほめること」の大切さは周知のこと。今さらいわれなくても十分わかっている。でもうまくほめられない、ついしかってばかりになってしまう、というのが親の常。でも同時にしかってばかりいる自分にある種のむなしさを感じてしまうということもあるはずです。
であるなら、事態の根本的打開のためにコペルニクス的転換が必要、となるわけです。
ともかく、ほめて、ほめて、ほめちぎる! 子どもが机に向かえば「やっと始める気になったのね」なんて言わないで「疲れてるのにやる気満々ね」とほめましょう。暗記テストで○が増えたら「これくらいは当然でしょ」と嫌みを言わずに「すっご〜い! ばんざ〜い!」と歓喜の声でたたえましょう。調子がのらないようなときには「すぐ手を抜くんだから」と追い打ちをかけないで「あなたならきっとできる」と励ましてやりましょう。テストの結果が悪くても「あ〜あこんなんじゃどこにも受からない」と吐き捨てないで、「まだまだこれから! 最後に力がつけばいいんだから」とフォローしましょう。
過度な期待をかけてしまうと、逆に精神的負担を与えるというリスクもないわけじゃありません。でも減点法よりは加点法、見捨てられるよりは期待されたい、しかられるよりはほめられたい、と思うのは自然な反応です。そこんところを冷静に判断しつつ、「その気」にさせようとする余裕を持ちましょうよ、とそのお母さまにはお話ししました。
ちなみに、ミュージカルや映画で有名な『マイ・フェア・レディ』の原作は、バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』。 あなたはヒギンズ教授ですか? それともピカリング大佐?
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