考える眼、捉える眼、感じる眼を育てます。 鯉城学院
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『言葉少年』 (新沢としひこ著 クレヨンハウス 税別1300円)
 シンガー・ソング・ライターである筆者が、小中学生時代の体験をもとにつづったエッセイ。
  「子どもの頃、僕は自分のことをとても大人だと思っていた。だから幼稚園ではじめておもらしをしてしまったとき、死んでしまいたいくらい恥ずかしかった」という、「しんざわ少年」が、周囲の子供や大人との考え方のギャップにとまどいながらも真剣に考え込んでしまう純粋な姿は、滑稽でありながらも、どことなくほのぼのしていて好感が持てます。また、先生や同級生をはじめとする人物の描き方にもユーモアがあり、大人も子供も十分に楽しめる一冊。3〜4ページで完結する内容も歯切れがよく読みやすいので、朝読書にも良いのかも。版画のさし絵もいい味出してます。中入試のねらい目は冒頭の「モシモシキコエマスカ?」。
『NHK日本語なるほど塾』 (NHK出版 税別381円)
 今年4月からNHK教育テレビで始まった「日本語なるほど塾」。毎月ゲストを迎え、4週にわたり、日本語に関する様々なテーマについて語ってもらう、という内容の番組です。
  これまでのゲストは「斎藤孝/金田一秀穂/平田オリザ/天野祐吉/加賀野秀一」など。
各回のテーマも興味深いモノが多く、これまで取りあげられたのは、「”コンビニ敬語”の謎/広告と流行語のあいだ/『若者ことば』は貧しいですか?/こちら敬語ニナリマス」 などなど。
  テレビ番組の「語り」を文章化したものですので、変にかたぐるしい表現もなく、読みやすいことうけあいです。内容を補足するさし絵も理解を助けてくれます。今後単行本になって「ことば」をテーマとした説明文や随筆文の出典となっていくことまちがいなし! ……と言えるでしょう。
『西の魔女が死んだ』 (梨木香果 新潮文庫 税別400円)
 この作品は第44回小学館文学賞、児童文学者協会新人賞、新美南吉文学賞とたくさんの賞を受賞した名作です。登校拒否の中学生の「まい」が“魔女”と呼んでいる英国人祖母から魔女修行を受けながら、自分で決めたり、決めたことをやり遂げる意志の力の大切さを学んでいくのですが、教訓臭いのが玉にきず。でもまいが次第に心を開き自分を取り戻していくところが「癒し系」のお決まりパターンで作問者にウケるんです。他に児童文学ファンタジー大賞を受賞した『裏庭』もグッド!
『ゆたかは鳥になりたかった』 (笹山久三 河出書房 税別1262円)
 笹山久三と言えばかつての中学入試では『四万十川』オンリーって感じでしたが、今ではこの「ゆたか〜」と「やまびこのうた」の2作品に流れは移った感があります。勇気とは何かを学ぶゆたかを描いた『ゆたかは鳥になりたかった』(2001年度広大附属中で出題)、大自然を背景に、お兄さんたちとの様々な体験を通じて、生きることを学んでいく主人公のサチの姿をノスタルジックに描いた『やまびこのうた』のほうがはるかに出題率は高いんです。むしろオススメはこっちかな? どちらにしても少年・少女ものであり、しかも〈自然〉を通じた「成長物語」というモチーフからも、一度は必ず読んでおきたい作品です。
『川は生きている』 (富山和子 講談社青い鳥文庫 税別530円)
 副題に「自然と人間」とあるように、人間がこれから先、生き残っていくために、自然とどうかかわり合ってゆかねばならないか、をテーマとしている「生きているシリーズ」。
「川〜」以外にも「道は生きている」「森は生きている」「お米は生きている」など、それぞれモチーフはことなりながらも、歴史的事実をふまえながら、絵や写真をふんだんにつかった、読みやすい自然科学系への入門作品です。文字が大きく、全ての漢字によみがながふってあるので、小学生中学年からでも十分に読めるでしょう。
『ヒトが変えた虫たち』 (なだいなだ著 筑摩書房 税別1100円)
 プリマー=primer(入門書)という名前の通り、様々な分野の初歩読本シリーズで、主に中高生向けの作品群です。テーマが幅広く、タイトルも学生向けの面白いものが多いので好奇心を刺激する一冊がきっと見つかるはずです。広島では、広島学院中やノートルダム清心中で過去出題されているので、中学校側もこのレベルまでの読解力は求めているということになります。
  この「ヒトが変えた〜」は、タイトルの通り、発展するヒトの文明にともなって進化、適応する昆虫を取り上げた作品。身近でありながらも案外知らないことの多い昆虫がテーマですから、興味をもって読むことが出来るはずですよ。
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