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| 『ぼくのボールが君に届けば』 |
(伊集院静著 講談社 \1,500) |
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伊集院静さんは、『皐月』と『機関車先生』が入試国語の世界では有名ですが、このたび刊行された『ぼくのボールが君に届けば』はなかなか「使えそう」です。本作には、野球に題材を得た9つの短編が収められています。どの作品も何かしら傷を負った人たちが織りなす切ない人間模様が、人生の1シーンを切り取る形で描かれています。必ずどこかで野球が出てきますが、別に野球でなくてもいいという気はします。おそらく著者の野球に対する思い入れの強さが影響しているのでしょう。全体のトーンとしてリリックなお話の好きな方であればオススメかも。特に表題作となった「ぼくのボールが君に届けば」あたりに弱い人がいるでしょうね。それでもとりあえず狙い目の見当はつけておきました。「ぼくのボールが君に届けば」「どんまい」「キャッチボールしようか」この3編かな。(kuro) |
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| 『森田さんのおもしろ天気予報』 |
(森田正光著 ポプラ社 \650) |
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「森田正光」といって分かる人はまずいないでしょう。でも「天気予報の森田さん」と言えば通じるんじゃないかな。ユニークな顔とお天気解説で人気の森田さんは天気に関する本をたくさん書いておられます。本書は1992年に出版されて以来人気を博しながらも、長らく絶版になっていましたが、このたび「私の生き方文庫」の一冊として復刊されました(加筆・訂正してあるそうです)。子ども向けに書かれたものとは言え、きちんとした科学的な視点で気象について語られています。文章レベルから見ても、内容的にも入試説明文の素材としてはかなり「使える」作品であることは間違いありません。(kuro) |
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個人的に好きかどうかは関係なく、多才な人なんですねえ。映画でも『HANABI』『座頭市』などで芸術性の高さが評価されていますが、本作もブラウン管の向こうの彼とは決して一致しないしっかりとした文学性の高い作品です。「ドテラのチャンピオン」「星の巣」「おかめさん」の3つの短編からなる作品集で、なかでも「星の巣」はいい作品だと思います。でも彼のようなマルチタレントの作品が、名門聖光学院中や立教中、広島工大附属中あたりで出題されるというのは、作問者が若返っている証拠なんでしょう。 |
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| 『夏の庭〜The Friends』 |
(湯本香樹実著 新潮文庫 420円) |
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湯本香樹実(かずみ)は近年の入試では人気者の一人。特に『夏の庭』はベネッセからカッコイイ装丁で登場し、児童文学コーナーに平積みされて大ブレイク! その後ベネッセが突然児童文学から撤退したため、残念に思っていましたが、2001年に徳間書店のBTFシリーズで再版されました。(98年は広大附属中と城北中で出題)
主人公の「ぼく」と「山下」「河辺」の3人の12歳の少年が近所の一人暮らしのおじいさんが死ぬのを見てみたい、というとんでもない不謹慎な願望を持ち、おじいさんを毎日見張り始めます。おじいさんと知り合い、家を訪ねるようになってから3人の子どもの思いが変化していく様子がユーモラスに描かれています(これって『スタンド・バイ・ミー』)。日本児童文学者協会新人賞、児童文芸新人賞とたくさん賞を取り、映画化や舞台化もされましたが、日本よりも海外で高い評価をもらっています(バチェルダー賞、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞受賞)。 |
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| 『解剖学教室へようこそ』 |
(養老孟司著 ちくまプリマーブックス 1260円) |
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『バカの壁』で大ブレイクした養老孟司先生は入試国語の世界ではかなり前から有名です。今ではあっちを見てもこっちを見ても養老先生の本ばかりで、養○の滝状態(よく意味はわからんが…)。東京大学医学部卒業→同大学医学部教授→北里大学一般教育センター教授、とため息をつきそうなエリートコースを歩んできた人ですが、天は二物を与えるんですね、文才もなかなかのもの。今回ご紹介したいのはちくまプリマーの一冊。簡単に言えば「解剖の歴史」と「解剖の実際」からヒトの秘密を明らかにしていきます。読み進めるたびに、ある時はなるほどとうなずきながら、またある時はニヤっとしてしまう氏の語り口には感心してしまいます。図版が多く、そっち系の話に弱い人には不向きかもしれませんが。 |
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| 『日本語を反省してみませんか』 |
(金田一春彦 角川ワンテーマ21 600円) |
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辞書編纂者・国語学者で、マスコミにも登場していた金田一春彦先生が、先日亡くなってしまいました。この方の日本語関係の著作は数多くありますが、本書は子どもにも読みやすく、入試国語の重要テーマである「ことば」に対する感覚を磨くにはもってこいの本です。イチ押しは第3部の「言葉の知識を増やす」。普段あたりまえのように使っている言葉の起源の説明があったり、(「お母さん」という言葉の起源にはちょっとびっくりします)また、「芽ぐむ」「木の下闇」「雨宿り」など、いろいろな美しい言葉が集めてあったり、きっと聞いたこともない言葉も多いのでタメになるとのこと。作問者が食指を動かしそうな「ことば本」です。 |
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